変形性肘関節症(へんけいせいひじかんせつしょう)
変形性肘関節症は、肉体労働を続けたことによる肘関節の使い過ぎや、野球やテニス、いわゆる野球肘やテニス肘などが原因で、後に50~60歳代から発症することが多くみられます。肘関節を形成している骨の先端は関節軟骨に覆われており、衝撃を緩和するクッションの役目を果たしています。その関節軟骨が肘の酷使によりすり減ると、肘に痛みを感じたり、骨と骨がぶつかり合って骨のトゲ(骨棘)ができるなどの症状が出ます。このように肘関節の骨が変形する症状が「変形性肘関節症(へんけいせいひじかんせつしょう)」です。変形性肘関節症のなかには、ケガや先天性の異常によって発症する場合もあります。 変形性肘関節症を長い間放っておくと、肘の変形が進み、洗顔や歯磨き、着替えなど肘を十分に曲げ伸ばす日常生活動作が困難になってきます。また、肘の変形によって発生した骨棘が尺骨神経を傷つけることがあり、小指などにしびれを感じたり握力が低下するなどの「肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)」が引き起こされる場合もあります。
問診、診察、X線検査などを行います。問診では症状や職業の他、運動の経験などを尋ねられます。X線撮影で骨の変形具合を確認します。また、変形性肘関節症と似た症状が現れる関節リウマチや神経の病気との鑑別が必要になります。
<保存的治療>
急性期には肘を出来るだけ動かさないよう安静にすることが基本です。その他、消炎鎮痛剤の投与や患部を温める温熱療法などがあります。

<手術的治療>
保存的治療に並行し、肘の痛みが持続し、骨の変形が進んでいて、日常生活に支障をきたす場合は、手術療法が選択されます。手術では尺骨神経に悪影響を与えている骨棘軟部組織を取り除きます。軽度~中程度の変形性肘関節症や肘の関節リウマチの場合は、傷んだ軟骨や骨棘を直視下または関節鏡視下(内視鏡)で切除します。変形や関節の動きが重度の場合は、金属やプラスチックでできた人工関節に置き換える「人工肘関節置換術」を行います。入院期間は、およそ2、3日となり、骨棘や軟骨の表面を取り除く場合は1~2週間の入院が必要です。

・人工肘関節置換術
 関節の痛みの原因であるすり減った軟骨と傷んだ骨を切除して、金属やプラスチックでできた人工関節に置き換える手術で、痛みの大きな改善が期待できます。



変形性肘関節症の治療一覧
保存的療法
運動療法:ストレッチ、水中運動など
温熱療法:ホットパック、温湿布、電気・超音波器具など
薬物療法:消炎鎮痛薬、ヒアルロン酸注射、ステロイド注射など
装具療法:サポーター、装具など