再生医療現場レポート
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効果はどれくらいで現れますか? また、日常生活の留意点を教えてください
早い人では投与の翌日から痛みが軽減したというケースもありますが、一般的には2週間くらいで軽減することが多いようです。海外の臨床試験ではAPSの効果の最大化は投与後3~6ヶ月後といわれています。
治療後1~2週間は投与前より激しい運動は控えるほうが良いといわれています。ただし、痛みが治まっても、関節に負担のかかるような、飛んだり跳ねたりするスポーツなどといった過度な動きは考えものです。どうしても行いたい場合は主治医とよく相談してからにしましょう。逆に、あまり動かないというのもよくありません。適度に身体を動かし、適切な体重コントロールを心がけてください。APS療法を受ける場合、知っておいたほうが良いことはありますか?まずは「APS療法は自由診療であり、費用は全額自己負担になること」「効果が100%保証されているものではないこと」「効果の持続期間にも個人差があること」などを知っておいて頂きたいと思います。
APS療法を行うようになり、治療を受けた多くの方が痛みの軽減を実感しているようですが、APS療法は、擦り減った軟骨が再生して若い頃の関節に戻るというような魔法の治療法ではありません。また、国内の長期データがまだないため、効果の持続期間も調査段階です。手術を先延ばしにする効果は期待できるものの、将来的に手術が必要になる可能性も十分に考えられます。自由診療のため安価な治療ではありませんので、医師とよく相談し、十分に理解・納得したうえで治療に臨んでいただきたいと思います。APS療法に興味をお持ちの方にアドバイスをお願いしますAPS療法を受けた方の中には、手術適応だったが痛みが緩和し、手術をせずにすんだというケースもあります。この結果を踏まえると、痛みはひどいものの、現役世代で仕事が忙しい方や子育てや介護などで、手術や入院をする時間が取れないような方も、APS療法を試してみても良いのではないかと思います。例えば定年まであと3年という場合、APS療法で痛みを緩和できれば、手術を定年後まで先延ばしにできる可能性があるかもしれません。
APS療法は変形性関節症の痛みの緩和に高い効果が期待できる再生医療で、その登場によって患者さんの治療選択肢が広がりました。ただし、誰にでも有効というものではなく、保存療法や手術療法がより適切な場合もあります。
膝や股関節など変形性関節症で関節に痛みや違和感があれば早めに専門医に相談し、自分自身の状態を正確に把握したうえで、納得のいく治療法を選択しましょう。
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