再生医療現場レポート
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CHAPTER 01膝が痛いけれど、仕事や運動を続けたい方に期待されるAPS療法
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CHAPTER 02変形性膝関節症が重症化する前に期待されるAPS療法
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CHAPTER 03膝の痛みを改善するための投資という考え方も
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APS療法にふさわしいタイミングはありますか?
APS療法を受けるタイミングは非常に重要だと思います。変形性膝関節症では、レントゲン画像をもとにした「KL分類」という指標で重症度を判定します。近年は、APS療法に関する様々な報告がされ、治療後の成績についても多くのものがあります。その中に、膝関節の変形が重度な方よりも、それほど変形が進んでいないⅡ~Ⅲ(軽度~中等度)方のほうが、痛みが軽減して日常生活が楽になったという報告が多くあります。つまり、痛みを我慢しすぎて変形が進んでしまうと、APS療法の効果が期待しにくくなってしまいます。膝の痛みをずっと我慢するのではなく、治療のタイミングを逃さないためにも、まずは整形外科を受診していただき、きちんと膝関節を評価してもらうことをお勧めします。
KL分類
APS療法では、どのような効果が期待できますか?APS療法は、手術のように患者さんにメスが入ったり入院したりする必要がなく、注射だけで治療を終えられるので、患者さんにとって負担の少ない治療だと思います。また、患者さんご自身の血液を使って行うので、免疫による副反応が起きるリスクも低いということは患者さんにとって安心感にもつながるのではないかと思います。
APS療法後、1週間程度は激しい運動を控えていただきますが、それ以降は特に安静期間がありません。そのため、できるだけ早い社会復帰やスポーツ復帰を望む方にも期待されている治療だと思います。また、人工関節のように膝関節に異物が残らずご自身の関節を温存できるので、ご自身が望む生活や活動を長期間にわたって行えることも期待できると思います。どのくらいの期間APS療法の効果が期待できますか?効果が持続する期間は個人差がありますが、APS療法後3年が経過しても効果が続いているという海外の報告があります。2年くらい前にAPS療法を受けた方がまだその効果を実感され、趣味のテニスや仕事をされている方もおられます。
APS療法後、症状の改善度合いは個人差がありますが、治療を受けた方の中には「膝に水がたまらなくなった」「日常生活が楽になった」と言われる方もおられ、1か月以内に効果を感じる方が多いと思います。ただし、APS療法後、膝の痛みが軽くなったとしても、膝を深く曲げるなど膝に過度な負担をかける動作はできるだけ控えていただき、痛みが軽減してくれば、筋力トレーニングやストレッチなどのリハビリをぜひ行ってほしいと思います。3か月くらいしっかりリハビリを続け膝関節が安定してくると、さらに膝の状態が改善してくると思いますので、少しずつでいいので継続していくようにしましょう。
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